水商売の世界ではさまざまな用語が日常的に使われています。
キャバクラやガールズバーなど夜のお店でより働きやすくするためにも、基本的な専門用語は押さえておきましょう。
今回は、水商売の世界でよく用いられる専門用語について紹介していきます。
業界共通で使われている用語についてはもちろん、キャバクラやラウンジなどそれぞれの業態でよく用いられる用語についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
水商売において共通でよく使われる専門用語10選

相談者さん
水商売 の用語を教えて下さい
新人ホステスです
いろいろ覚える事があって 店長に聞き忘れてしまった事がたくさんあります
先輩ホステスの方
水商売経験ある方教えて下さい
キャバクラやガールズバーなどお店の種類を問わず、水商売において共通でよく使われる専門用語として以下の用語があげられます。
- 同伴・アフター
- 店外デート・裏引き
- 指名、本指名、場内指名
- フリー
- バック
- 太客(エース)、細客、痛客
- つめしぼ、かわしぼ
- 枕営業、色恋営業(色恋)、友達営業(友営)
- 風紀
- 空名刺
これらの用語は、働く中でよく耳にする言葉なので、しっかり覚えておくようにしてください。
それぞれの用語について詳しく解説していきます。
1. 同伴・アフター
同伴とアフターは、いずれもキャストがお客さんと店の外で会う行為を指す言葉です。
出勤前にお客さんと合流し、
お客さんを伴いながら出勤することを「同伴」と言い、閉店後に外でお客さんと会うことを「アフター」と言います。
これらの行為はいずれもお客さんとの仲を深めるためで、お店の売上に貢献する可能性が高いので容認されています。
複数の相手と同伴することで、お店からのバック額が大きくなるため一気に稼ぐことが可能ですが、複数名と同伴する場合あまり時間をかけれずに店前で落ち合う「店前同伴」となるケースも多いようです。
2. 店外デート・裏引き
店外デートは、休日にお客さんと外で会う行為を指します。
同伴やアフターとは異なり、デートの前後でお店を経由することがないため、お店の売上に直結しにくく、店外デートを禁止しているお店も少なくありません。
裏引きは、お店を通さずにお客さんと会ってお金を受け取る行為を指す言葉です。
3. 指名・本指名・場内指名
指名・本指名・場内指名は、水商売で用いられる指名に関する用語です。
キャバクラやラウンジでは、お客さんが特定のキャストをテーブルに付けてお酒を楽しみます。
この、特定のキャストをテーブルに付ける行為が「指名」です。
- お目当てのキャストが既にいるお客さんから入る指名が「本指名」
- 初めて来店したお客さんや指名するキャストを決めずに来店したお客さんから入る指名が「場内指名」
です。
水商売で稼ぐには、ヘルプで付いたテープルのお客さんから場内指名をもらい、その場内指名をどれだけ本指名に変えられるかどうかが重要になります。
4. フリー
指名する女の子を決めずに来店するお客さんを、「フリー」と言います。
フリーのお客さんに対しては、お店側が選んだキャストがランダムでテーブルに付けられます。
フリーのお客さんは、まだ指名するキャストが決まっていない状態です。

アピールすることで場内指名や本指名につなげられる可能性があるので、積極的に狙っていきたいお客さんになります。
5. バック
バックは、時給とは別でもらえるインセンティブのことを指します。
例えば、本指名してくれたお客さんにドリンクを奢ってもらった場合はドリンクバックが付き、お客さんがボトルを入れてくれた場合はボトルバックが付きます。
バックの種類や金額は店舗によって異なりますが、条件を満たすことで数百円〜数千円のインセンティブが付くので、積極的に活用したいシステムです。
6. 体入(体験入店)・本入(本入店)
キャバクラやラウンジなど夜のお店には、通称「体入」という体験入店のシステムが用意されています。
一度実際に働いてみた上で、本格的に働き始めるかどうか決められるようになっています。
体験入店の結果、本入店してそのお店で働き始めることを「本入」と言います。
7. 太客(エース)、細客、痛客
水商売には、
- 太客(エース)
- 細客
- 痛客
など、お客さんのことを指す専門用語もいくつかあります。
太客は、たくさんお金を使ってくれる太っ腹なお客さんを指す言葉です。
キャストの稼ぎを支える魅力的なお客さんで、キャストにとっての主力のお客さんという意味を込めて「エース」と呼ばれることもあります。
一方細客は、太客とは真逆であまりお金を使ってくれないお客さんです。
定期的にお店に遊びにきて指名してくれるものの、あまりお金を使ってくれないので稼ぎにはあまり貢献しないお客さんのことです。
水商売で働く上でなるべく関わるのを避けたいのが、痛客です。
必要以上に女の子にお酒を飲ませるなど、店内での行動や言動が痛いお客さんやキャストを困らせたり周りの迷惑になる客のことを「痛客」と呼びます。
8. つめしぼ、かわしぼ
つめしぼとかわしぼは、おしぼりのことを指す専門用語です。
- 湿らせてあるおしぼりのことを「つめしぼ」
- 乾いたおしぼりのことを「かわしぼ」
と呼びます。
店舗によっては湿らせてあるおしぼりをつめしぼと呼ばず、そのまま「おしぼり」と呼ぶこともあります。
おしぼりは店内で使用する機会が特に多いアイテムなので、ぜひ覚えておきましょう。
9. 枕営業・色恋営業(色恋)・友達営業(友営)
水商売で用いられる専門用語には、
- 枕営業
- 色恋営業(色恋)
- 友達営業(友営)
など、キャストの営業方法を表す用語がいくつかあります。
お客さんと肉体関係を持つ営業方法で、関係を持つことの見返りとして指名してもらい、稼ぎにつなげます。
お客さんを自分に惚れさせる営業方法で、お客さんの好意を利用し、お金を使わせることで自分の稼ぎにつなげます。
定番の営業方法で、実際に色恋を営業を上手く取り入れて稼いでいるキャストも少なくありませんが、トラブルに発展しやすい営業方法でもあります。
友達のようにお客さんと接して稼ぎにつなげる営業方法です。
色恋営業のように好意を利用するわけではないので大きな稼ぎにつながりにくい営業方法ではありますが、お客さんと適度な距離を保ちながら関係を築けるので、トラブルに発展しにくいというメリットがあります。
10. 風紀
キャバクラやラウンジでは黒服やボーイとして男性スタッフも働いていますが、その男性スタッフとキャストが関係を持ってしまうことを表す用語が「風紀」です。
従業員同士が関係を持つとトラブルに発展するだけでなく、お客さんに知られるとお店の評判を落としかねません。
11. 空名刺
空名刺は、お店の名前と住所のみが書かれている名刺です。
入店したばかりの新人キャストや体入中の女の子は、源氏名など自分の情報が入った名刺を持っていません。
空名刺はそういったキャストに対して配布されるもので、支給されたキャストは自分で名前や連絡先を書き込んでお客さんに渡します。
キャバ嬢が覚えておきたいキャバクラの専門用語3選

水商売の中でも特にキャバクラで用いられることが多い代表的な専門用語が、次の4つです。
- キャスタン(レディグラ)、ゲスタン(ゲストグラス)
- 合番
- 店服
- お茶をひく
それぞれの用語について詳しく解説していきます。
1. キャスタン(レディグラ)、ゲスタン(ゲストグラス)
キャスタン(レディグラ)とゲスタン(ゲストグラス)は、どちらもキャバクラで用いられるグラスを指す用語です。
- キャストがドリンクを飲む際に使用するグラスを「キャスタン(レディグラ)」
- お客さんが使用するグラスを「ゲスタン(ゲストグラス)」
と呼び、「ゲスタンお願いします」などと言って使用します。
2. 合番
合番は2つの意味合いを持つ専門用語です。
お客さんが複数名で来店してそれぞれ異なるキャストを指名した場合は合番になりますし、1人で来店したお客さんが複数のキャストを指名してテーブルに付けた場合も合番になります。
合番はキャバクラで遊び慣れているお客さんがよくやる傾向にあります。
3. 店服
店服は、お店が用意しているキャスト用の衣装を表す用語です。
キャバクラはドレスで接客するのが一般的ですが、キャストが自分で何着も衣装を用意するのは大変です。
また、あまりにも安いドレスを着て接客されるとお店の評判に影響が出てしまうため、店側がドレスを用意し、キャストに着用させることがあります。
4. お茶をひく
キャバクラでは、お客さんを呼べず、指名が一つも入らない状態のことを「お茶をひく」と言って表現します。
江戸時代の芸者がお客さんから声がかかるのをお茶をひきながら待っていたことに由来していて、「お茶ひいちゃった」などと言って使用されます。

キャストとしてあまりいい状態ではないので、キャバ嬢として稼ぎたいのであればお茶をひかないよう努力をしなくてはいけません。
ガールズバーで働くときに覚えておきたい専門用語3選

ガールズバーで用いられることが多い代表的な専門用語としては、
- アンダー
- リクエスト
- アンダーハート・ルックルック
などがあげられます。
それぞれの用語について詳しく解説していきます。
1. アンダー
アンダーは、18歳未満の女性を指す業界用語です。
ガールズバーは水商売の入門的な業態で初心者でも始めやすいということもあり、未成年や若年層が求人に応募してくることが多いので、アンダーの使用頻度が高くなっています。
面接時や体入時に本人確認書類の提示やコピーを義務付けていて、アンダーの女の子を雇わないよう細心の注意を払っています。
2. リクエスト
ガールズバーでは、特定の女の子を指名する行為を「リクエスト」といった用語で表します。
特定の女の子を指名する行為は接待にあたる可能性が高いため、多くのガールズバーなど風俗営業許可を得ていない店舗では行えません。
ただ、店舗側もグレーな行為であることを認識しつつ行っているお店もあります。
3. アンダーハート・ルックルック
ガールズバーには、「あわよくば…」と考えている下心丸出しのお客さんも遊びにきます。
ただ、そういったお客さんの前で「あの人、下心丸出しだから」と直接的な表現で他のスタッフに注意喚起することはできません。
そこで「アンダーハート・ルックルック」という用語を用いて、スタッフ間で下心丸出しのお客さんであることを表現します。
ラウンジで使う機会が多い専門用語3選

ラウンジで用いられることが多い代表的な専門用語としては、
- 一見さん
- 永久指名
- ハウスボトル、キープボトル、チャンスボトル
などがあげられます。
それぞれの用語について詳しく解説していきます。
1. 一見さん
一見さんは、初めて来店するお客さんを表す言葉です。
頻繁にお店に遊びに来る常連さんと対象的な意味合いで使用されます。

一見さんを常連さんにできるかどうかがラウンジで働くラウンジ嬢の腕の見せどころになります。
2. 永久指名
永久指名は、ラウンジで採用されていることが多い指名制度を指す用語です。
永久指名制度は、指名したラウンジ嬢がそのお客さんの担当になる制度のことで、永久指名制度が導入されているお店では、一度特定のラウンジ嬢を指名すると他の女の子を指名できなくなります。
3. ハウスボトル、キープボトル、チャンスボトル
ラウンジで用いられる用語にはボトルに関する用語がいくつかあります。
セット料金に含まれるボトルのことで、お客さん用のお酒なのでラウンジ嬢が飲むことはできません。
お客さんが追加料金を支払って購入するセット料金に含まれないボトルで、5,000円ほどで購入できるものもあれば、100万円近くするものもあります。
お客さんがキープボトルを注文した場合、ボトル代の何割かがラウンジ嬢にバックとして付与されます。
もう少しで空きそうなボトルのことで、新しいボトルの注文につながる可能性が高い状態なので、チャンスボトルと呼ばれています。
クラブで使われる専門用語3選

クラブで用いられることが多い代表的な専門用語としては、
- 幹・枝
- 大ママ・小ママ
などがあげられます。
それぞれの用語について詳しく解説していきます。
1. 幹・枝
幹は他のお客さんを連れ立って指名で来てくれたお客さんを指す用語です。
枝は、そのお客さんに連れられてきたフリーのお客さんのことを指します。
枝のお客さんについて場内指名や本指名につながった場合、幹のお客さんに指名されたキャストに対してお礼を言うのが通例となっています。
2. 大ママ・小ママ
クラブでは、
- お店の管理者や経営者にあたる女性を「大ママ」
- その大ママを補佐する役割のキャストを「小ママ」や「チーママ」
と表現します。
ただ、店舗の規模によっては小ママにあたるホステスがいないケースもあり、その場合ママは一人になるので、大小の区別は付けずに「ママ」と呼びます。
キャバクラで働くボーイが覚えておくべき専門用語

相談者さん
キャバクラのボーイをする事になりました。
キャバクラといってもそんな大きな店じゃないのですが、始めての職種なので接客の仕方がイマイチわかりません。
ボーイの接客用語を詳しく教えて頂
けないでしょうか?
キャバクラでボーイとして働くときに覚えておきたい主な専門用語としては、以下の言葉があげられます。
- アイス・アイストング・アイスペールなどのアイテム名
- インカム
- オーダーマッチ
- 送り
- オンリー
- 色恋管理(色管)
それぞれの用語について詳しく解説していきます。
1. アイス・アイストング・アイスペールなどのアイテム名
アイス・アイストング・アイスペールはいずれもキャバクラで使用されるアイテムを指す用語です。
- アイスは氷
- アイストングは氷を掴む道具
- アイスペールは氷を入れる容器
を指します。
これらのアイテムを定期的に補充してキャストが接客に集中できるようにするのもボーイの重要な仕事の一つです。
そのため、キャバクラでボーイとして働く場合は、店舗内で使用するアイテムを表す用語をきちんと把握しておく必要があります。
2. インカム
インカムは「インターコミュニケーションシステム」の略称で、ボーイや店長などキャバクラの男性従業員が身につけている連絡用のアイテムです。
イヤホンとマイクが送受信機につながっていて、離れた場所にいても円滑にコミュニケーションをとれるようになっています。
3. コール・オーダーマッチ
コールとオーダーマッチは、キャストがボーイを呼ぶときにおこなう動作を表す用語です。
「お願いします」などのコールが設定されている店舗がほとんどですが、ライターで火をつけて合図を送るオーダーマッチでボーイを呼ぶお店もあります。
4. 送り
送りは、お店の車でキャストを送る行為を指します。
キャバクラは終電がなくなる時間帯まで営業している店舗も多いため、お店で送迎を行っているところが多いです。
専門のドライバーのいる店舗が多いものの、ボーイが送りを行う店舗もあるので、「送りお願い」と言われても戸惑わないように覚えておきましょう。
5. オンリー
オンリーは、キャストが付いていない状態のお客さんを表す用語です。
オンリーの時間が長くなるとクレームに発展しかねないので、インカムを使って他の男性従業員とコミュニケーションを取り合い、一秒でも早くキャストをテーブルに付ける必要があります。
6. 色恋管理(色管)
色恋管理(色管)は、ボーイなどの男性従業員がキャストと恋愛関係になり、管理する方法を表す専門用語です。
風紀に当たる行為なので、表上禁止されていることがほとんどですが、色恋管理によってキャストの女の子が言うことを聞きやすくなるなどのメリットがあるため、積極的に行っている店舗があることも事実です。
まとめ
キャバクラやラウンジ、ガールズバーなど水商売で用いられる専門用語について紹介してきました。
今回紹介した用語は、いずれもよく使用されるものばかりです。
これらの用語を把握しておくとよりスムーズに働けるようになるので、水商売で共通する用語だけでなく、勤務したいと考えている業態で使用される用語もできる限り押さえておくようにしましょう。