水商売には「待機カット」と呼ばれる独特のシステムがあります。
待機カットは収入に関わる重要なシステムなので、これからナイトワークを始めるのであれば待機カットについて正しく把握しておくことが大切です。
今回は、
・水商売の待機カットのシステムや概要
・待機カットの違法性
・待機カットを避ける方法
についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
水商売の待機カットの意味とは

相談者さん
キャバクラとかガールズバーって待機の時間は時給に換算されないんですか?
待機中に時給が発生するかどうかは店舗によって異なります。
ただ、待機カットが導入されている店舗もあるので注意が必要です。
キャバクラやガールズバーでは待機時間が発生することも多く、接客中と待機中の時給が変わらないとなると、「どうせ時給変わらないし、別に頑張ってお客さん呼び込まなくてもいいか…」と考えるキャストが増えてしまいます。
そのような考えのキャストが増えると店舗の経営に支障が出るため、待機中は時給が下がる待機カットのシステムが設けられています。
給料が一切発生しない「上がり待機」とは
待機カット中は、接客中に比べると時給が下がりこそしますがゼロになるわけではないので、仮に丸一日待機になったとしてもタダ働きになることはありません。
ただ、キャバクラやガールズバーなどの中には「上がり待機」と呼ばれるシステムを導入している店舗もあるので注意しなくてはいけません。
上がり待機を導入している店舗では、仮に3時間接客して5時間待機した場合、3時間分の時給しか受け取ることができません。
上がり待機中は時給が発生しないので自由に過ごしていても文句を言われることはありませんが、店舗の中で待機していなくてはいけないので、キャストにとってかなりデメリットが大きいシステムとなっています。
水商売の待機カット中の時給はいくら?

相談者さん
キャバクラで待機中(客がいなくて携帯いじってるとき)って時給でるのですか?
出るとしたら通常の時給と同じですか?
上がり待機を導入している一部の店舗を除き、基本的には待機カット中でも時給は発生するようになっています。
待機カット中の時給は店舗によって異なりますが、通常の時給の2分の1〜3分の1程度に設定されているため注意が必要です。
例えば、時給3,000円の店舗で1日8時間、通常の時給で働いた場合、
3,000(時給)× 8(時間)=24,000
となるので、一日の稼ぎは24,000円になります。
一方、通常時の時給が3,000円、待機カット時の時給が1,000円の店舗で5時間接客して3時間待機となった場合、
・通常時:3,000(時給)×5(時間)=15,000
・待機カット時:1,000(時給)×3(時間)=3,000
となり、一日の稼ぎは18,000円にまで下がります。
この場合、通常の時給で働いたときと比べると一日あたり6,000円も下がることになります。
月に換算すると10万円以上手取りが少なくなるため、指名が少なく待機の多いキャストにとっては死活問題になりかねません。
待機中は何をするのか
待機カット中は時給が大幅にカットされるものの、時給が発生しないわけでないので、休憩中のように自由に過ごすことはできません。
待機中の過ごし方は人それぞれですが、お客さんに連絡して営業をかけるキャストが多いようです。
お客さんに来店してもらってテーブルに付くことができれば、通常の時給で働くことができます。
キャバクラなど水商売の待機カットは違法?法律的に問題はない?

待機カットが法律上違法にあたるかどうかは、その店舗が採用しているシステムと契約時の説明によって異なってきます。
休憩中のようにある程度自由に過ごせるとは言え、待機させておきながら給与が発生しない上がり待機は違法行為にあたる可能性があります。
ただ、労働基準監督署に相談しても対応してもらえなかったり、まともに取り合ってもらえないケースがほとんどのようです。
一般的な待機カットは、時給が下がるものの一切発生しなくなるわけではないので法律上問題はありません。
ただ、面接のときや雇用契約を結ぶ際に待機カットについての説明がなされていない場合は、雇用主が一方的に給与を変動させていることになるため、違法と判断される可能性が高くなります。

待機カットの他にも「キャバクラの罰金」や「ガールズバーやコンカフェのビラ配り」等も違法性があるとよく話題に上がりますね。
「待機カットなし」の求人でも待機カットされることがある?

相談者さん
ガールズバーで待機カット無しって求人には買いてあっても実際待機カットあるって事ありますか?
求人広告で「待機カットなし」とうたっているにも関わらず、実際には待機カットが行われていたというケースは少なくありません。
待機カットは働く側にとって大きなデメリットになるため、待機カットのないお店を選ぶキャストが多いです。
店舗側もそのことを把握しており、待機カットがあることを記載して募集をかけても人が集まらないことも理解しているので、実際は待機カットがあるにも関わらず、「待機カットなし」と記載しているケースがあります。
このような求人に掲載されている条件と実際の条件が異なるケースは水商売に限らずどの業界でもよく発生することです。

こういった店舗を避けたいのであれば、本当に待機カットがないかどうかを面接の時点でしっかりと確認しておくようにしましょう。
本当に待機カットがないお店は存在するのか
キャストの待機問題はお店にとっての死活問題でもあるので泣く泣く待機カットを導入している店舗が多いものの、待機カットなしの店舗も存在します。
ただ、待機カットなしの店舗は、待機カットがない分時給が安い場合もあるので注意が必要です。
一方、待機カットのシステムを設けている店舗は、待機によって給与がカットされるリスクがある分、時給が高く設定されている傾向にあります。
毎日お客さんが来てくれるような人気キャストになれば待機カットの心配をせずに済むものの、指名が途切れないほどの人気キャストになるのは簡単ではなく、時間もかかります。
そのため、初めは待機カットなしのお店を選ぶのも一つの手です。
キャバ嬢やホステスとしての経験や実績がつき、実際に指名が途切れなくなった時点で待機カットのある時給の高いお店に移るという方法もあります。
まずは待機カットなしのお店で水商売の世界に慣れるところから始めてみてはいかがでしょうか?
会員制ラウンジなど高級店でも待機カットがある?

相談者さん
夜職の中でも会員制ラウンジ(恵比寿や銀座などにあるようなお店)は待機カットはありますか?
恵比寿や銀座などにあるような高級な会員制のラウンジなどの高級店でも待機カットの制度はあります。
ただ、会員制のラウンジのような高級店は、待機時間が出るような経験が浅い女の子の採用を見送る傾向があるので、
「待機時間が出てしまうかも…」
「待機カットで給料が少なくなったらどうしよう…」
などと考える必要がある方は、高級店での勤務は避けるべきかもしれません。
また、高級店は給料が高い分より多くの成果を求められます。仮に採用されたとしても、待機が続くようだとクビにされる可能性が高いので、自信のない方は一般的なキャバクラやガールズバーで働くことをおすすめします。
キャバクラなどで待機カットされないための対処法

キャバクラやラウンジで待機カットされるのが心配なのであれば、常に指名の入る状態を作って待機の状態が発生しないようにするしかありません。
お客さんが途切れない状態になれば待機カットで不安になることも、給料がカットされることもなくなります。
初めて来店してくれたお客さんやフリーのお客さんのテーブルに付いたときは必ず連絡先を交換するようにして、積極的に営業しましょう。
LINEやメールで営業する際は、なるべく営業臭さを出さず、とにかくお客さんとの仲を深めることを第一にコミュニケーションを図ることが大切です。
外見やコミュニケーション能力、接客スキルが洗練されれば、本指名はもちろん場内指名の獲得にもつながりやすくなるので、キャストとしての魅力を高めるための努力も怠らないようにしましょう。

まとめ
水商売の待機カットについて紹介してきました。
待機カットが採用されているかどうかは店舗によって異なるので、待機カットのある・なしをしっかりと確認した上でお店を決めるようにしてください。
ただ、待機カットのない店舗は時給が低いといった側面もあるので、一概に待機カットのある店舗が悪いとは言い切れません。
待機カットのある・なしよりも指名が途切れない人気のキャストを目指すことの方が重要なので、どういった店舗で働くにしても、人気のキャストになるための努力は怠らないようにしましょう。